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効率的なIT投資とインターネットの活用
今回は、効率的なIT投資とインターネットの活用について解説していきます!
この2つは、ITパスポートの試験のストラテジ・マネジメント系に分類されているものとなっています。
投資やインターネットの活用は、社会に出てからも通用する知識になっているので知っておいて損はないでしょう!
それでは早速見ていきましょう!
効率的なIT投資
ビジネス活動にITを活用するととても便利です。しかし、サーバや通信機器などの機材やソフトウェアを全て自社で用意するためには、莫大なお金が必要になってくるのです。また、それらを継続して管理していく作業にも人員が必要になります。
ITサービスの種類
前述したとおり、管理していくのには費用も人員も必要となってくるのです。しかし、それらを提供するサービスを利用することで、より効率的なIT投資を行うことが可能となります。
様々なITサービスの種類を見ていきましょう。
ハウジングサービス
サーバや通信機器などを設置する“場所”を提供するサービスのことを「ハウジングサービス」と呼びます。利用者は自分たちで用意したサーバや通信機器を提供された施設・場所に設置することができます。社内にサーバを設置するよりも、家賃・電力などの施設にかかるコストを削減することが可能です。
ホスティングサービス
サーバや通信機と、それを設置する施設を提供するサービスのことを「ホスティングサービス」と呼びます。
ハウジングサービスと異なる点は、サーバや通信機器も、サービスを提供する側が用意するのです。そのため、利用者はサーバを管理する必要がなくなります。ホスティングサービスは、「レンタルサーバサービス」とも呼ばれています。
ASP
インターネットを通じ、利用者にアプリケーションソフトウェアを提供する事業者、またそのサービスのことを「ASP(Application Service Provider)」と呼びます。
アプリケーションソフトウェアはSAPのサーバ内に入っているので、利用者はソフトを購入・管理しておく必要はありません。
SaaS
インターネットを通して、利用者にアプリケーションソフトウェアの必要な機能だけを提供するサービスのことを「(Software as a Service)」と呼びます。ASPは利用者ごとに個別のサーバやデータベースを用意するのですが、SaaSでは、複数のユーザでそれらを共有する「マルチテナント方式」であるという違いがあります。
一人一人にサーバやデータベースを用意する必要がない分、ASPより費用を抑えることができます。
システムインテグレーション
情報システムの企画から要件定義、開発、運用までの業務を、一括もしくは部分的に提供するサービスのことを「システムインテグレーション」と呼びます。
利用者側の企業にとって、専門業者に依頼することで自社のIT業務にかかる費用を抑えることが可能となります。
オンラインストレージ
インターネット上でファイルの置き場所を提供するサービスのことを「オンラインストレージ」もしくは「クラウドストレージ」と呼びます。
時間や場所を問うことなくアクセスすることができ、複数の人でファイルを共有し合うこともできます。
クラウドコンピューティングとオンプレミス
インターネット上にあるサーバやアプリケーションソフトウェアを利用する仕組みのことを「クラウドコンピューティング」と呼びます。
上記で紹介しているASPやSaaS、オンラインストレージは、クラウドコンピューティング環境で利用することができるサービスになります。
一方、サーバなどを自社内に設定して運用していくことを「オンプレミス」と呼びます。クラウドサービスは自由度がない分コストを抑えることができます。オンプレミスはコストがかかってしまう分自由なカスタマイズや運用が可能となるのです。
SOA
アプリケーションソフトウェアを、業務単位や時間単位など、利用者から見たときに意味を持つ独立した機能(サービス)に分割して、それらを組み合わせることで新しいシステムを構築する設計手法の事を「SOA(Service Oriented Architecture:サービス指向アーキテクチャ)」と呼びます。
利用者ごとのニーズに合わせて柔軟性のあるシステム開発を行うことができます。
インターネットの活用
インターネットの普及により、ビジネスシーンでもインターネットが活用されるようになりました。
電子商取引
インターネットを使用して商品やサービスを売買することを「電子商取引(EC:Electronic Commerce)」と呼びます。
売買にともなう手続きがデータ化され、ネットワークを通してやり取りができるようになったため、コストの削減や業務の効率化を実現することができます。電子商取引は、取引相手によって次のような種類に分類されます。
<電子商取引の種類>
種類 | 意味 | 例 |
B to B
(Business to Business) |
企業と企業による取引 | インターネット上に設けられた、売り手と買い手を結びつける電子市場である「マーケットプレイス」 |
B to C
(Business to Consumer) |
企業と個人による取引 | ネットショッピングやインターネットを使用して銀行のサービスを利用するネットバンキング、個人が株式を売買する「オンライントレード」など |
B to E
(Business to Employee) |
企業とその従業員による取引 | インターネットを介した、社員へ特別価格での商品の販売など |
C to C
(Consumer to Consumer) |
個人と個人による取引 | インターネットを使用してオークションを行うネットオークション |
G to C
(Government to Citizen) |
政府や自治体と個人による取引 | インターネットを使用した確定申告や住民票の申請など |
なお、電子商取引では、対面して商品とその代金の受け渡しを行う事ができないため、売り手と買い手の間に信頼の置ける第三者が介在することで取引の安全性を高めるサービスもあります。このことを「エスクロー」と呼びます。
インターネットのオークションなどでは、運営会社がこのエスクローを行う事があります。
EDI
企業間の商取引で発生する見積もりや受発注などに関するデータを標準的な形式に統一し、ネットワークを介して電子的に交換する手法の事を「EDI」と呼びます。
データで取引することにより、紙で書類をやり取りするよりも効率的に取引することができるのです。
ロングテール
ネットショップでは販売にかかるコストが少ないため、1つひとつは販売数や売上高の小さい商品であったとしても、多くの種類を販売することで結果的に大きな利益を得ることができるようになります。この現象のことを「ロングテール」と呼びます。
暗号資産(仮想通貨)
インターネット上で、商品やサービスを購入する際に支払うことのできる仮想の通貨のことを「暗号資産(仮想通貨)」と呼びます。
紙幣や硬貨とは違い、物理的には存在しておらず、ディジタルデートして取引されています。法定通貨のように国家による価値の保証はされておらず、インターネット上のコミュニティの間などで価値が認められており、使用されている通貨になっています。
暗号資産の取引を管理する技術の中に、「ブロックチェーン」と呼ばれるものがあります。取引のデータは暗号化され、特定のサーバで集中的に管理されているのではなく、参加者の複数のコンピュータに分散して記録・管理されています。更に新しい取引データを作成する際には、直前のデータのハッシュ値を埋め込むことで、データを相互に関連付けることができるため、データに矛盾を発生させることなく改ざんすることは極めて難しくなるようにしています。
フィンテック
「フィンテック(Fin Tech)」とは、金融の“Finance”と技術の“Technology”を組み合わせた造語となっており、ITを活用することでこれまでにない革新的な金融サービスや商品を開拓する取り組みのことです。
例えば、スマートフォンでクレジット決済を行えるようになったモバイル決済のサービスや、ピアツーピアで世界中のユーザを直接つなぐ事によって低コスト・短時間で海外送金が行えるようになったサービスなどがあります。
従来の金融サービスよりも手軽に、低コストで利用することが可能となりました。
Webマーケティング
インターネットの普及により、消費者がWebサイトを閲覧する時間が大幅に増えることになりました。そのため、企業のマーケティングにおいてはWebサイトの閲覧者へ向けた効果的なマーケティングを行うことが重要となってきました。自社のWebサイトや広告がなるべく利用者の目にとまるように工夫するといった、Webを中心に行うマーケティングの活動のことを「Webマーケティング」と呼びます。
次からは、Webマーケティングの手法の中で、代表的なものを紹介していきます!
SEO
インターネットでキーワード検索をかけたときに、自社のWebページが検索結果の上位に出るように、上位に表示されたほうが、ユーザにアクセスしてもらえる可能性が高くなります。このように、特定のWebサイトが、一覧のより上位に表示されるように工夫することを「SEO(Search Engine Optimization)」と呼びます。
検索されやすいようなキーワードをWebページの中に盛り込んでいったり、外部のWebサイトからたくさんのリンクが張られるように工夫したりといった方法があります。
オプトインメール広告
あらかじめ、受信者の同意を得た上で、受信者の興味がある分野に関する商品やサービスの情報をメールで配信していく広告を「オプトインメール広告」と呼びます。
事前に同意を得ているため、受信者がメールを開く可能性は高くなっていくというメリットがあります。
なお、同意を得ていないメール広告を「オプトアウトメール広告」と呼びます。
レコメンデーション
ネットショップなどで、利用者がアクセスしたWebページの閲覧履歴や購入履歴を分析し、関心がありそうな別の商品をページに表示させるような広告のことを、「レコメンデーション」と呼びます。
全ての利用者に同一の商品を表示するより、その利用者にあった広告を表示した方が、効率的に購買へと繋げられるというメリットがあります。
アフィリエイト広告
個人など小さな企業が運営するWebサイトに、企業の商品ページへとジャンプするリンクを張る広告のことを「アフィリエイト広告」と呼びます。第三者がそのリンクを経由して会員登録や商品の購入をした際に、企業からそのサイトの運営者へ報酬が支払われるという仕組みです。成果型の報酬のため、無駄なコストを掛けずにする事が出来ます。
ディジタルサイネージ
駅や公共施設などの場所で、インターネットに接続したディスプレイに映像や文字を表示して情報を発信するような電子看板を、「ディジタルサイネージ」と呼びます。
インターネットを介しているので、時間帯によって違った内容を表示することができるなど、柔軟な宣伝活動を行う事ができます。
コミュニケーションツール
組織内での情報の共有や、企業の顧客にたいする宣伝活動など、人とのコミュニケーションの場所でも、様々なインターネットのツールが使用されています。
<コミュニケーションツール>
ツール | 説明 |
グループウェア | 組織の共同作業を支援するためのソフトウェア。電子メールや電子掲示板、スケジュールの管理など様々な機能があり、情報交換やデータの共有・電子会議ができる |
ブログ | 文章を投稿して公開することができる。インターネット上の日記のようなWebサイトのこと。企業が運営するブログでは、こまめに更新することにより、顧客の欲しがる情報を提供し、商品の購入や問い合わせに繋げることができる。記事の中で別のブログ記事へのリンクを設定したとき、設定したことを相手に知らせる「トラックバック」という機能がある。それは、相手のブログにも地震のブログへのリンクが自動的に設定されるもの |
SNS | 様々なコミュニティを作成し、情報交換などを行う会員制のサービス。InstagramやTwitter、LINEなどがある。企業がこのようなSNSを導入することにより、次のような事を実現することができる。
・安価で効果的な宣伝 ・業務上有益な人脈の形成 ・書き込み機能の利用により、購入者に自社商品の評価内容を投稿してもらうことで、商品イメージの向上 ・登録会員とのコミュニケーションの場として利用し、顧客ブランドのロイヤリティの向上を図る |
クラウドファンディング
インターネットを通して、不特定多数の人から広く寄付や融資を集める資金調達の方法を「クラウドファンディング」と呼びます。
かつては資金調達が難しかった個人やベンチャー企業などが、インターネット上で新商品の企画内容などを公開し、広く資金を募ることが可能となり、必要な資金を調達しやすくなっています。
シェアリングエコノミー
主に個人が所有している普段は使用していない自動車や自宅の空きスペースなどの遊休資産を他の人へと貸したり、共同で利用したりする仕組みのことを「シェアリングエコノミー」と呼びます。
所有者にとっては資源を無駄なく活用することが可能となり、利用者にとっては所有するよりもコストを抑えることができるとったメリットがあります。
SNSの普及により、“借りたい人”“貸したい人”のマッチングが容易になったことにより、広がりを見せているものです。
まとめ
いかがだったでしょうか?今回は効率的なIT投資とインターネットの活用について解説していきました。
ITの投資に関しては、少し難しかったかも知れませんが、こういったことを知っておくことによって、企業の仕組みを知る事ができるようになります。
また、インターネットの活用は、私たちが普段使用しているモノもあるので覚えやすかったのではないでしょうか?
1つひとつを確実に覚えて行くことで、ITパスポートの試験に合格に近付くと思います。頑張っていきましょう!
それでは、今回はここまでです!
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