
目次
障害対策
今回は障害対策について解説していきます!障害対策は、ITパスポートのテクノロジ系に分類されています。
障害対策は混同してしまうことが多いので、しっかりと正しく覚えていきましょう。
また、ITパスポート試験以外でも、社会に出てから使用するかも知れない部分になってきますので、覚えておいて損はないと思います。
それでは早速見ていきましょう!
システムの障害対策
システムは障害が起きないように対策を講じることが必要です。しかし、どれだけ対策しても障害が起きない訳がないため、起きてしまったときの被害を最小限に留められるように対策しておくことも非常に重要になってきます。
ここでは、そのシステム障害に対する対策について説明していきます。
障害対策の考え方
障害対策には、様々な考え方があります。システムが提供するサービスの内容によって、ふさわしい対策方法を選ぶ必要が出てきます。今回は5つの考え方を紹介していきます。
フェールセーフ
フェールセーフ(fail safe)は、障害が発生したときに発生する被害を最小限に留められるように、安全性を重視して対策を行っておくという考え方です。システムの安全性を重視する、と覚えておけば大丈夫です。
この対策の例としては
・信号機は故障すると赤になる
・大きな地震が発生すると、電車は自動停車する
などです。
フェールソフト
障害が発生したときに故障した箇所を切り離すなどして、正常な部分だけで稼働を続けるようにします。システムが稼働し続けることを重視して対策を行っておくという考え方のことを「フェールソフト(fail soft)」と呼びます。
これの例としては
・飛行機は複数のエンジンを搭載していて、1つのエンジンが故障したとしても残りのエンジンで飛行することが可能である
・コンピュータはメモリがたくさんになったら優先度の高いものだけを処理する
などが挙げられます。
フールプルーフ
ユーザが誤った操作を行ったとしても、危険にさらされたとしても、システムが誤作動を起こし故障する事がないように対策を行っておくという考え方を「フールプルーフ(fool proof)」と呼びます。
この対策の例としては
・乾電池を正しい向きでないと入れることができない
・洗濯機の扉を閉めなければ洗濯を開始しない
が挙げられます。
フォールトアボイダンス
システムの構成要素に高品質な部品を使用したり、十分なテストを行ったりすることで、システムがなるべく故障しないように対策を行っておくという考え方を「フォールトアボイダンス(fault avoidance)」と呼びます。
フォールトトレラント(フォールトトレランス)
システムの二重化などによって障害が発生しても、継続してシステムを稼働できるようにしておく考え方のことを「フォールトトレラント(fault tolerant)」または「フォールトトレランス(fault tolerance)」と呼びます。
稼働し続けることを重視する点では、フェールソフトと同じですが、フェールソフトは最低限の機能で稼働し続けるのに対して、フォールトトレラントは全機能で稼働し続けることを目指しています。
システムの二重化構成
システムの信頼性を高めるために、システム障害に備えて予備のシステムを備えておくことを、システムの「冗長化」といいます。なかでも、予備システムを1つ用意して2系統で構成することを「二重化」といいます。冗長化は、「多重化」などと言われることもあります。
システムの二重化の構成方法には、次の方法があります。
デュアルシステム
2つのシステムが常に同じ処理を行い、尚且つ処理結果をお互いに参照して処理が正しく行われていることを確認する構成のことを「デュアルシステム」と呼びます。
一方が故障したとしても、もう一方で稼働し続けることが可能となっています。
デュプレックスシステム
1つのシステムで処理を行い、もう1つのシステムは待機させておく構成のことを「デュプレックスシステム」と呼びます。稼働中のシステムが故障したら、待機していたシステムに切り替えて稼働します。
待機しておくシステムを、いつでも動作可能な状態にしておくことで、障害発生時にすぐに切り替えられるようにしておく方式を「ホットスタンバイ」といいます。
一方、待機システムに準備だけさせておき、障害が発生した時点で起動して処理を切り替える方式のことを「コールスタンバイ」といいます。
ホットスタンバイのほうが、運用コストにかかるものの、サービスの停止時間が短く済むというメリットがあります。
レプリケーション
稼働させておくシステムには、「レプリケーション」と呼ばれる方法を使うことがあります。これは、稼働しているシステムと同じ状態を保つことができるものです。
レプリケーションとは、複製(レプリカ)を作成するということです。
はじめに、システム同士で違いのある部分のみを転送することでデータを一致させる「同期」という処理を行い、その後は更新情報のみを複製システムに転送します。
ハードディスクの障害対策
システムを複数のハードディスクで構成することによって、システムの処理を高速化したり、データを障害から守ったりすることができます。複数のハードディスクを組み合わせ、あたかも1台のハードディスクであるかのように扱う技術のことを「」と呼びます。
RAIDには、データの書き込み方法などの少しの違いによって「RAID0」から「RAID6」までの種類があります。ここでは、そのうちのよく使われているものを紹介していきます!
RAID 0
1つのデータを複数のハードディスクに分散して書き込む方法のことです。こうすることで、書き込み時間を短縮することができます。「ストラッピング」とも呼ばれています。
RAID 1
複数のハードディスクに同じデータを書き込む方法のことです。こうすることで、仮に1台が故障してしまったとしても、他のハードディスクにデータがあるため、データを失うリスクを軽減することができます。「ミラーリング」とも呼ばれています。
RAID 5
データとデータの誤りを訂正するための符号を複数のハードディスクに分散して書き込む方法のことです。こうすることで、障害が発生した場合にデータを復旧させることができる他、書き込み時間も短縮することができます。
まとめ
いかがだったでしょうか?
今回はシステムとハードディスクの障害対策について解説してきました。
一番最初にもいったとおり、似たような用語が出てきて混同しやすい部分となっていますので、しっかりと区別して覚えていってください!
ITパスポート試験におすすめのテキスト
ここでは、数あるITパスポート試験対策用のテキストの中から特におすすめのテキストを紹介していきます。
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テキストの中でも図を使った解説やイラスト分けを利用した分かりやすい解説が行われており、各章の終わりには問題演習を行う事もできるようになっており、インプットとアウトプットが同時にできるようになっています。
更に、アルファベットで書かれた用語は日本語で読み方を記載しておりますので読み方を調べたりする手間がかかりません。
IT系の知識にこれまで全く縁がなく、これから学習する人の気持ちに寄り添ったテキストだと言えます。
キタミ式イラストIT塾 ITパスポート
キタミ式イラストIT塾 ITパスポート 令和03年 (情報処理技術者試験)
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この、キタミ式イラストIT塾は全体的に学習漫画のような書き方がされており、難解なIT用語を暑かったりしているにもかかわらず、スラスラと読みやすいのが特徴です。
おすすめ書籍の例に漏れず、過去問を掲載しているためインプットと同時にアウトプットを行い知識の定着をしっかりと確認しながら進める事ができます。
上記の「栢木先生のITパスポート教室」よりも更にイラストが多く活用されているため、活字を読んで学習するのが苦手だという方や、本当に読み進めやすいテキストを求めている方にもおすすめです。
いちばんやさしいITパスポート 絶対合格の教科書+出る順問題集
【令和3年度】 いちばんやさしいITパスポート 絶対合格の教科書+出る順問題集
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このテキストは出題範囲の広いITパスポート試験の中から、試験に出てくる重要なポイントに絞って重点的に解説をしているため、無駄なく短期間で合格を目指したい人におすすめの書籍です。
重要なポイントだけだから穴があると言ったこともなく、しっかりと基本知識を身につける事が出来る非常に良い書籍です。
重要用語を暗記するためのページもあるため、コツコツと隙間時間を使って暗記をする時にも非常に良い使い方ができるでしょう。
また、社会に出たとしてもコンピュータ関係は切っても切れないツー津となっているので、知っていて損することがない知識だと思います!
一つ一つ確実に覚えていくことが、ITパスポートの試験に合格する近道となっています!頑張っていきましょう。
それでは、今回はここまでです。